それぞれの冬の処し方

 カリンが一つ取り残され、冬の空に浮かんでいる。その横ではモクレンが律儀に蕾をつけ、花の開くのを待っている。そこには春を待つ冬の姿があり、秋の名残のカリンの果実とはきっぱり違った姿に見える。そう見るのは私たちだけで、カリンもモクレンも季節の変化に応じて当たり前に反応しているに過ぎないのだが、私たちの想像は勝手に働き、物語をでっち上げようとする。そして、その心情の吐露は時に人の心を打つのである。